最高裁判所第三小法廷 昭和33(オ)96 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理 由
上告代理人清水正雄の上告理由第一点について。
自白は、錯誤に基きかつ真実に反する場合に限り、相手方の同意なくしてこれを
撤回し得ることは、判例の示す所である。(大正一〇年(オ)第六六二号同一一年
二月二〇日大、民、判決、大民集一巻五二頁、昭和二四年(オ)二一九号同二五年
七月一一日第三小法廷判決、民集四巻三一六頁)
したがつて、所論自白の撤回につき、相手方が異議を述べた本件においては、原
審が右自白の真実に反することを認め得る証拠、即ち所論残債務の存在しないこと
を認め得る証拠のないが故に、右自白の撤回を許し難いとしたのは正当であつて、
原審に所論の違法がない。
論旨は、採用し得ない。
同第二点について。
論旨は結局、原審の適法になした証拠の取捨判断、事実認定を非難する以外に出
でないのであつて、これを採用し得ない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第三小法廷
裁判長裁判官 石 坂 修 一
裁判官 島 保
裁判官 河 村 又 介
裁判官 垂 水 克 己
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裁判官 高 橋 潔
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